「屋敷を荒らす愚か者とは、俺達のことかもな」

五月 劫火の章:
今月の攻略フローチャート


1. 地下の劫火の回廊

この辺の扉は軒並みエミりゅんの〈カギ〉で開くものばかり。地下室にあるんだから〈ちかしつのカギ〉が使えてもよさそうなものだ。
先月末、中庭の一角に〈どぐう〉が開いた地下への階段。目指す〈にっきのカギ〉は、この地下室に隠されているという。

階段を下った先には、褪せた青を基調とした冷たい色使いの空間が広がる。BGMも中庭のおどろおどろしい曲から、死者を悼むような哀しみをたたえたものへと変化。ここのBGMは思わず涙を誘われる名曲だ(ループが短いのが難点だが)。

先へ進むと、哀しみの青を怒りの赤で塗り潰そうとするかのように、毒々しく燃え盛る炎が回廊を舐め尽くしていた。当然、〈しょうかき〉なんかで鎮火できるなら苦労はない。

映画では秋子さんが「これは幻覚だわ」とこころのちからを集中させて炎を打ち消していたような気もするが、本作では移動中はこころのちからが使えない。通りたくば10ダメージ/秒を喰らいながら突っ切るしかないわけだ。

おまけに、突っ切ったところで先に進めるわけでもない。確かに先の方の「死せる子供達」の部屋だの「アトリエ/フレスコ:5月24日」だのに入れるが、今月のトップの画像を見ての通り肝心のところは行き止まりである。完全なダメージの受け損。

西側は炎が広がっていないので、そっちのほうの行ける所から攻めるのが素直でいいだろう。


2. 焚刑の部屋/フレスコ:5月5日・10日

ボヤボヤしてたらボヤではすまないゾ!(シャレ)
「ふんけい」と読む。火あぶりにして殺す刑罰をいう。

地下の劫火の回廊の画面写真で「武器庫」と書かれた部屋に入ってみよう。最初は何の変哲もない青一色の部屋だが、〈スキ〉でも失敬するかと思って進入するや、盗人を焙り殺さんとして部屋が徐々に炎に覆われてゆくのだった。

その内実は恐るるに足りずいつも通りの10ダメージ/秒であり、〈しょうかき〉を使えば一発で消し止められる代物だが、遭遇してみると結構慌てることは請け合いだ。裏技的な回避方法として、「こうたい」コマンドで室外の仲間に交代してからすぐにまた「こうたい」で部屋の中に戻れば、少しの間燃え広がるのを防げる(燃え広がる処理を初期状態からやり直すため)ということを指摘しておこう。


血の跡なんてどこにもないけど。なんか前にも同じようなトコあったよな。 5月5日のフレスコ画が置いてある部屋も、同じような原理で炎が発動する。〈しょうかき〉が都合良く放置してあるので、さっさと鎮火するのがよかろう。別に鎮火しなくても、置いてある書き置きが燃えてなくなるわけではないのだが。

ここに残された書き置きは、大怪我を負ったらしい(「らしい」と言うのは、血の跡のグラフィックが表示されないから)先発隊のひとりが書いたものであるようだ。

また書き置きがある……。

たかし へ
   日記の鍵は柩に入れておくつもりだ……。
   少し胸が苦しい……
この人、きっと酷い怪我をしてるのだろうに……、
まだ先へ行こうとしてる……。

「少し胸が苦しい」 と見て「それはきっと恋やね」と即答した筆者は不謹慎極まりない。この書き置き自体は、三月で発見したものと内容的にかぶるのでゲーム上はかなり無意味だが、書き置きの主とは、後に悲劇的な出会いを果たすことになるので読者諸兄諸姉にあられては頭の片隅に置いて頂きたい。

どうでもいいけど、「火の上」を出そうとしたら「樋上」と変換してくれやがった筆者のIMEは持ち主の人柄をよく表していますね。
5月10日のフレスコの方は、炎が始めっから固定位置で燃えていて変化に乏しい部屋だ。〈しょうかき〉だって放置してあるし、なんの変哲もないので面白くないのだが、ひとつ言わせてもらうならどうして火の上に乗ってるこんぼうが燃えちゃわないんでしょうか。

やっぱりこの火って、幻覚なんじゃないのかね?


おおっ、あんまりインパクト薄いんで危うく忘れるとこだった。撮影会の成果は以下の通りだ。

5がつ 5にち
そして みずからの いのちをたち
すべては おわったかに みえた……

5がつ 10にち
れいりょくを もつ すいしょうは
ぞうによって まもられている


3. 地下水脈

壁に掘られた穴がある。ということは、もともとはこの通路はまるっきりのどん詰まりだったわけだ。つくづく理不尽な設計である。
間宮夫妻が死んだ30年前から黙々と穴を掘り続けてたとしたら、まさに「そうなんですか、ご苦労様です」といった所だ。


5月5日のフレスコがある部屋よりさらに北上すると、写真のごとく回廊から外れるように妙な具合に用途不明の通路が伸びている。壊したような穴から、レンガの向こうへと出られるようだ。

進んだ先では、スコップを持った男が、ひとり岩壁と格闘していた……。

せっかくここまで掘ったのに、
もうこのスコップじゃ駄目だ!

この向こうに地下水路があるんだ。
穴を開けられれば火を消せるんだが…………。

この人はいったい間宮邸の何なのか……などなど疑問は尽きないのだが、長年黙々と掘削作業を続けていただけあって頑固な人なのか、ひとりで強引に「おい、何か掘る物を持ってないか?」 と話を進めてしまう。おとなしく〈ピッケル〉を渡そうとすると、

何も持ってないくせに、いい加減なことを言うな!

おいおい贅沢言わないでくれよ。どうしても〈スコップ〉でなきゃイヤだそうである。

「わかった。後は俺たちに任せてくれ」とか言って田口君が〈ピッケル〉で掘ってやってもよさそうなものだが、とにかく〈スコップ〉をくれてやるとこの男は途端に元気になって穴掘りを再開し、轟音とともに空間を揺らすほどの勢いで鑿岩にかかる。

「千丈の堤、螻蟻の穴を以って潰ゆ」の故事にもある通り、アリほどの穴でも開けばそこから漏れ入った水は岩をも崩す。岩壁の向こうの水は、ナヴィエ = ストークス方程式の示す所に従って回廊になだれ込むのであった!

(ちなみに、〈ピッケル〉を持っていても当然のことながら流される。)

北川 「おう、出番をくれるんなら穴掘りでも何でもやるぞ」
香里 「じゃ、お願いね。はいこれ〈スコップ〉」
北川 「おう、美坂の頼みとあればオレは何でもやるぞ」
祐一 「扱いやすい奴だな……」
北川 「お前に端役の苦労は解らんだろうがな」 地下水脈の激流により押し流される一行。ダメージを受けないのが少し不思議。
穴を掘る男は、押し流された後この世から消滅する。恐らく、彼の肉体はすでに死を迎えており、執念だけが残って穴を掘り続けていたのだろう……。

香里 「ご苦労様、あなたの出番はここまで」
北川 「はっはっ、『あなた』だなんて……ってオイ、ここまでってどういうことだよ!?」
香里 「言葉通りよ」


水脈イベントが起きなくても、「死せる子供達」と「アトリエ」には来れます。始めに言ったっけ。……意識を取り戻した時、一行は床一面の冠水の中に横たわっていた。

きな臭い熱を含んだ空気は未だ冷め切ってはいなかったが、回廊を舐め尽くしていた赤い火焔は、大水により跡形なく飲み込まれていた。

「先へ進め」ということなのだろうか。体を起こし、仲間に前進を促そうと声をかける。

――いるはずの者が、いない。

「こうたい」コマンドで、急いで仲間の所在を確かめる。傍らにいた仲間は、押し流されて散り散りになっていたのだ。水底から這い上がってくる敵どもの追撃を振り切り、追い立てられるように一堂に集う一行の姿がそこにはあった……。


この際、回廊に落ちてる〈ボロボロのいた〉は流されずにそのまま残ってるじゃないか、などと野暮なことを言ってはダメである。


4. 像に護られし部屋/水晶球

【どうでもいい解説】

よく「呪われし魔剣」などと動詞に「…し」を付けて形容語とする例があるが、「し」は古典文法における回想(過去)の助動詞「き」の連体形である。
「き」は継続相を表現する形式ではないので、例えば「呪われし」と言った場合、過去において呪いが存在した(のを発話者が憶えていて、回想している)ことのみが問題になっているのであって、意訳するなら「呪われていた魔剣」と言える。
〈過去において呪いが発生して、今もって呪われた状態が継続中である〉という意を表現するには、継続相を含意する助動詞「たり」を用い、「呪われたる魔剣」と言うのが正確なところであろう。
なお今の例「像に護られし部屋」は、発話時点で像は部屋を護っていないため、文法的に成立している。
水脈から迸った激流が回廊を駆け抜けたとき、小部屋の入り口を塞いでいた銅像はどこかへ流されたらしい。これにて「像に護られし部屋」への突入が可能となる。エミりゅんに錠を破らせ、進入を試みよう。

外から見たらチンケな小部屋なのだが、この広さは亜空間にでも繋がっているのだろうか。 扉をくぐると、地下室のわりに嫌にだだっ広い空間に出る。この回廊のどの部屋もそうなのだが、重力がどうにかなっているのか浸水していないのが不思議でしょうがない。

空間はだだっ広くても、一行が通れるのは木床の狭い通路である。東に歩を進めると、裂けた床の向こうにはウワサの汎用球型決戦兵器〈すいしょうだま〉が安置されていることに気付くはずだ。5月10日のフレスコ画の予言通りである。

一月以来、久々に板の活躍となる。まさか戻って〈じょうぶないた〉を回収してくるような面倒臭いことはできないので、そこらへんに落ちている〈ボロボロのいた〉を拾ってきて架橋すれば充分だ。〈ボロボロのいた〉の脆弱さはもはや語るまでもあるまい。板を渡るのは2人以内にしなければ、板が抜けて転落する被害者を出すことになる――と注意しておこう。

さてこの〈すいしょうだま〉、占いなんかできないし、ましてや屋敷のマップを表示してくれるわけでもない。武器として役に立ってくれはするが、いったい真の使用法とはいかなるものなのであろうか?

……わっ。アイテム解説を見たらだめだよ。


5. 死せる子供達

ちょっと涙腺に来た筆者はどうなのだろうか。


骸骨だ!! しかも、子供の……。
 

――星野和夫、白骨の骸を前にして

狭い小部屋を埋め尽くすように、無造作に散乱している白骨の骸……。骨は確かにヒトのそれに違いないのだが、やけに小さいものであることが判る。

子供の骨なのだ。

子供たちの骨はまるで死装束の色のように、白すぎるほどに白かった。手にとってみれば意外なくらい軽く、その手触りはカサカサだ。死体の肉が腐り落ちて骨だけが残ったのとは、明らかに様子が異なっている。(そんな描写はゲーム中にはありません。全ては筆者の妄想です。)

また書き置きがある……。

けんじ へ
   執事の日記の切れ端を見つけた
   間宮家の子供は 焼却炉に落ちて死んだようだ
   そして 狂った夫人は 近所の子供をさらい
   焼却炉に投げ入れている

間宮一郎さえもフレスコ画に書き遺すのをためらった(4月4日)事実が、奥の机に置かれた書き置きに記されている。散らばった骨の、乾ききった白さの理由はこれではっきりとした。


子供の死に心を痛めた夫人は、我が子にたくさんの遊び相手を作ってやろうとしたのだ……。



6. アトリエ/フレスコ:5月24日

間宮一郎略してマリーのアトリエ。って前も同じようなこと言ってたっけ? うぐぅ。
「死せる子供達」の隣室は、間宮一郎のアトリエとおぼしき、他の部屋と色調の統一が取れていない部屋だ。芸術家の考えることはやっぱり筆者には解らん。ここではいつも通りにフレスコの撮影としゃれ込もう。

5がつ 24にち
あおい ひは のろわれた ひ
れいりょくを はっするものにしか
けすことは できない

5月10日のフレスコの情報と総合すれば、蒼い火を消すための霊力を発するアイテムが〈すいしょうだま〉であろうことの推測は容易である。

部屋を出る前に、書き置きを調べるのも忘れずに。「しょうご」なる人物に宛てて書かれた書き置きだが、この「しょうご」氏と我々は、後に出会うことになるのだから。

ここにも書き置きがある……。

しょうご へ
   たかしの具合が悪そうだ 薬を持って追いかける
   その間に 君は夫人の部屋を探してくれ
   恐らく 2階にあるはずだ
この人たちも、何とか夫人の霊を鎮めようとしてる……。

ちなみに、別パーティーは戦闘中です。「よぶ」コマンドにはこういう利用法もあるのじゃッ!
さて部屋を出たら、あとは回廊の東端において針路を阻んでいる呪われた蒼い火を、すでにゲットしているはずの〈すいしょうだま〉で消し潰してやればいいのだ。ボボボボボという効果音とともに、やや地味なエフェクトながら蒼い火は消滅する。

消し止められた蒼い火の向こうの扉は、〈ちかしつのカギ〉により開くものだ。いよいよ今月の核心に迫ってきたといえるだろう。


7. 焼却炉、柩の間

浮遊霊が宙を漂うこの場所は、焼却炉。



……!? ここは一体……。
すさまじい霊気が漂っている……。
 

――星野和夫、焼却炉を前にして

転がっている人形が口にする通り、拷問と処刑の部屋だ。浮遊霊が宙を漂うこの場所は、焼却炉。転がっている人形が口にする通り、間宮夫人の狂気への生贄として、無辜の子供たちにいわれなき灼熱の死を与え続けた、拷問と処刑の部屋だ。

子供たちの肉体は焼け果てても、魂に押し付けられた苦悶の焼き印は消えることなく、今なお灼かれ続ける魂たちが発する叫びは、姿なき声となってあなたの耳に響く。

赤ちゃんの泣き声がする……!

えーん えーん……。
ママーッ!
あついよー! たすけてー!


あなたの前に、やがて五つの奇妙な容器が姿を現す。宙空を舞っているのは、子供を殺された母親の霊なのであろうか。 口々に啼く子供たちの声に胸を灼かれながらも、あなたは前進を止めない。錠を下ろして侵入者を拒む地下室の扉を、髑髏の鍵で開け放ちつつ進むあなたの前に、やがて五つの奇妙な容器が姿を現す。宙空を舞っているのは、子供を殺された母親の霊なのであろうか。

あなたは咄嗟に思い出す。泥濘に囚われ、もがきながら息絶えたひとりの犠牲者の手に、死後も頑なに握られていた一枚の紙片があったことを。

そう、それは、「ちかしつの あかちゃんの ひつぎ」

呼吸を整え、意を決して、あなたは柩から蓋を外す。

〈にっきのカギ〉が納められていた。


日記の鍵はこの内のどれかに隠されているのだ――あなたはそう確信する。あなたは柩の蓋に手をかける。呼吸を整え、意を決して、あなたは柩から蓋を外す。


柩の中には――

(どの柩がどの結果かは来る度に異なる。また、一度調べた柩をもう一度調べると必ず「毒を噴きつける骸骨」が当たる。)


あなたが握り締めた日記の鍵は、死者の身体の冷たさを帯びていただろうか。焼けた鉄の熱さを持っていたのだろうか……。



8. 死者からの伝言

子供たちは夏の線路 歩く
吹く風に素足をさらして

AIRオープニングテーマ『鳥の詩』より
柩の間から西の扉をくぐると、東西に長く伸びた廊下が。何の用途のためにか線路が引かれている(2人乗りのトロッコがあるのだが、この線路上を走れるだけで何ら意味はない)。

左手には先発隊の書き置きが見えている。

また書き置きがある……。
文字が随分乱れている……。

たかし へ
   もくてきは……はたした……
   あとは ベランダ……から……
ちょっと読みづらいな。
   どうぞうは ちからを……
   つければ おせる……ように…
   これ…で まみ……や…の……
   …スマン…もう…いっしょに
   いけな…い…みた…い…………
   みんな……だ…け…で……
最後は、文字になってない……。

ある証拠から、この書き置きを残したのは「しょうご」氏であることが立証される。ゆえに、「アトリエ」で見た書き置きと総合することにより、このメッセージは間宮夫人の自室に入る術を示している、と判断することができるわけだ。


……と、やたら事務的な記述だったが。


本当はこのメッセージには続きがあり、その主にも直後に会うことができる。

筆者はこの、しょうごさんのメッセージには『AIR』の美凪さんシナリオ並みに涙腺を錐で開けられる思いがしたものだが、ゲーム上は通過点にすぎない場所なので、詳細は別節に譲ることにする。是非読者諸兄諸姉におかれても、実際にその目で確かめて頂きたい。こんな台詞、執筆者としては禁句と重々理解はしているつもりなのだが、筆者とて人の子。思い入れが強いもので……。



9. 日記を開き、ベランダへ

三月からの使い回しです。
さっきの線路のある廊下の西端から出ると、地下回廊の出入口へのショートカットとなっている。日記のある泥濘の部屋まで戻ってくるのは、案外たやすいことだ。

〈にっきのカギ〉を鍵穴に挿して、長く閉ざされたままだったページに空気を吸わせてやる。きっと、中には間宮夫人攻略法が書かれているに違いない……と思いきや。以下が、日記の全文である……。

管理キーでアクセスして日記更新にゃー。……嘘ですにゃー。
女の子の日記とかならそりゃァもうドキドキもんだが、残念ながら間宮一郎は野郎だ。

日記を読んでみよう……。

9月23日
妻は今日も部屋にこもったきりだ。
10月4日
扉に鍵がかかっている。ベランダを伝って入る。
これは一郎の日記だ!
この中に、鍵をかけるほどの秘密が書かれている……!
どこだろう…? あっ! 折り曲げた所が!
……まるで化け物だ!
妻や死んだ子供の霊が引きあってあんな姿に……。
もう、罪もない人を殺すのはやめてくれ!
殺すなら私を殺せ!
……やはり、屋敷に化け物がとり憑いている!!
まさか一郎も、夫人の犠牲に?!


……今ごろ気づいたんかいッ!!

屋敷に化け物がとり憑いてるのは、ゲームスタート直後から解り切ってるっつーの。本気でこんなヌケたこと言ってるとしたら、筆者は和夫に置いていた全幅の信頼に疑念を挟まざるを得ない。

鍵をかけるほどの秘密なんだから、「間宮夫人必勝攻略法」だの「間宮邸最短脱出ルート」だののお役立ち情報満載かと思ったら(……ホントに書かれててもイヤだけどさ)、まァ確かに嫁さんが変わり果てた姿になったら他人には見せられないだろうけど、取材班にとって当面有用な情報は「ベランダを伝って入る」 って一節だけ。これだって内容的にはしょうごさんの書き置きとカブるし。


しかし、読まないとこれはしょうがないのだ。というのも、日記を読むのがひとつのフラグであり、このフラグが立つことによって初めて、ベランダで道を塞ぐ銅像が押せるようになるのだから。

しょうごさんは「銅像は力を付ければ押せる」 と言っていたがとんでもない。腕力も心の力も、実は関係なかったりする。


高所恐怖症の筆者には絶対できない芸当だ。 銅像を図のように押しのけて、〈ボーガン〉で向こう岸へ渡る。落ちたら死にそうなベランダの上でこんな芸当をやってのけるとは、いつもながら忍者みたいな連中だ。

が、間宮一郎も日記で「ベランダを伝って入る」と言っているということは、間宮のダンナも同じことをやっていたということである。

どうも、この世界の人間はみんな冒険者らしい。『ソードワールド』みたいな所だ。


バルコニーに落ちている、本作中2番目の攻撃力を誇る〈ぎんの けん〉を失敬して(こんな所で手に入るのはゲーム進行的におかしいような気がしないでもないが、貰えるものは貰っておこう)、万全の装備で次の月へと向かうべし。

……そう。間宮一郎やしょうごさんが繰り返し言っているように、いよいよ我々は敵の本陣、間宮夫人の居室へと斬り込むのだから。



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