先月最後の通路を西に抜けると、まずBGMががらりと変わり、神秘的な水のダンジョンっぽくなったことに気付かされるだろう。『ONE〜輝く季節へ〜』で言えば《海鳴り》といったところだ。そんなここが、先月の生存者に「供養塔なら湖だ…」 と教えられた湖畔。静かな湖畔の森の影から、もう起きちゃ如何と鳴くのは残念ながらナタ男と腐乱死体とゾンビだが。
水が屋敷側から繋がっており、また外へ向かって水が通じていないことも後で判るので、おそらく屋敷から水を引いて造った人造湖ではないかと推測される。
ってそりゃスゲェ財力だよ間宮一郎のダンナ! 俺もあやかりたいよ!
まァ金運で使い切ったのか、結婚運は最悪だったようだが。そう考えるとそれも嫌か。
……何の話だ、何の。
隠し部屋に鎧や噴水を配置しとくような性格の間宮一郎氏は、どうやら屋外に絵を飾る気にはなれなかったと見えて、今月のフレスコ画は湖畔の探索が済んだ後に邸の中でまとめて発見されることを付記しておく。
1. 湖畔
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湖の周辺をぐるりと反時計回りに進むわけだが、さっそく障害物の「木が積み上げらていて通れない!」 が。ゴミのような1キャラの障害物ごときに針路を阻まれるのはいつもながら不愉快だが、この積み木を伐る唯一のアイテムが〈まさかり〉という所にかなり理不尽を感じるのは筆者だけだろうか。そりゃ林業用の〈まさかり〉と戦闘用の〈おもいおの〉とかじゃ本当は違うんだろうけど、こんな敵陣のド真ん中で贅沢言うなっつうの。
システム上いたし方ないので、〈まさかり〉を取りにイバラに分け入るが、また和夫が「痛いっ! このイバラ……、素手じゃちょっと通れない……」 などと泣き言を抜かしやがる。
上の画面写真で「〈まるた〉で架橋」とある先には、対イバラ防護の〈ぐんて〉が落ちているので拾ってくるのも結構だが、どうせ10ダメージ/秒のただのダメージ床なんだから、和夫には我慢してもらって〈ぐんて〉も取らずにイバラを突っ切る、というのを筆者は勧める。〈まるた〉も節約できるし。
北東隅のイバラ地帯では、半身男さんが蠢いておられる。間宮邸に生育しているイバラの中ではジッとしていても必ず10ダメージ/秒を奪われるので、半身男のHPでは2分も持たないと思うのだが元気そうで何よりだ。
「くようとうを あらすな!!」 と言っていることから「ああ、供養塔を荒らせばいいのだな」と読めてしまうのが、もう筆者が子供じゃない証拠なんだね。
湖を回って北岸に至り、南に曲がって桟橋に差しかかると、そこでは2艘のボートが、舵を取るべき主を待っていたのだった。陸路に脱出経路がないとすれば、残る手は水路か!とばかりにボートに飛び乗り、大海原へ冒険に漕ぎ出そうよ!
……何か、今月の筆者ノリがおかしくないか? いつも通りか?
実は、桟橋に折れるべき所を西に進みつづけて湖を大回りすると、まだ道は続きがあるのだ。そこを〈まるた〉で架橋して進んだ先が、今月のトップ画像の「あおいひかりは ゾンビにきく。」 の半身男である。だからって何のフラグが立つわけでもなく、「これを持って行きなさい」と〈あおいライト〉をくれるわけでもないのでこの上ないムダ足。個人的にはイバラよりもコイツのほうがよっぽどトラップだと思うが。桟橋までで、〈まるた〉の必要最低本数は3本。〈ぐんて〉を取るのと「あおいひかりは〜」の半身男とで1本ずつ余計に使うことになるが、対して三月で拾える〈まるた〉は4本。残り1本を拾うためには一月まで戻らないといけないので、無駄遣いしちゃった人はご愁傷様である。
写真を見て気付く人もいるかもしれないが、筆者は無駄遣いしちゃったのである。
2. 供養塔
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ボートを駆ってはるかなる大海原に漕ぎ出すまではいいが、あわれ湖の水は外部に通じておらず、陸路がダメなら水路でも間宮邸は脱獄不可能である。同一マップ内にはプログラム上地上敵・水上敵が混在できないのか、はたまた水上敵を考えるのが面倒臭かったのか、湖の上ではモンスターが出現しない(!)。ここぞとばかりに二人っきりのクルージングを心ゆくまで楽しめるのだが、どうせ同じ湖をぐるぐる回ることしかできない(「場所なんて関係ない、二人が一緒にいられる時間そのものが重要なんだ」という意見もあるだろうが、そんなことは未だに彼女のできない筆者にとってはどうでもいい)ので、諦めてすごすごと供養塔を目指す。画面写真の場所だ。
ちなみに上で「水が屋敷側から繋がっており」と書いたが、舟で邸に乗り込めるわけではない。見下ろし型RPGだから見えないが、送水口に鉄格子でも埋めてあるんだろう。
供養塔だ!!
この下に赤ちゃんが眠っているのだろうか……?
……! 地面が軟らかい。
誰かが掘り起こしたようだ。しかも、つい最近……。さて、ここが問題の供養塔。
供養塔は荒らすなと言われているのに、先発隊の奴らもまたよくもまあこんな所に〈ちかしつのカギ〉なんか埋めてくれたものだ。「人んちの子供の墓を掘ってはいけません」というのは習って憶えるものではない。人として当然のことである。
ま、俺も掘るけどね。話を進めるために。屋敷を荒らす愚か者とは、俺達のことかもな。
先程のボートDEデートでゆったりとクルージングを楽しんでいれば、湖の南岸に〈スコップ〉が落ちていることに気付くはず。この〈スコップ〉でもって、供養塔をざくざく掘るんだよ。
ねえ、探し物は、見つかった?
――小さな羽の食い逃げ天使 (CV: 堀江由衣)(注:念のため言っておきますが上のセリフがゲーム中に出てくるわけではありません。うぐぅ、どうせボクはKey信者だよっ。)
〈スコップ〉を使っても、たぶん「スコップを使って掘ってみる。…………力が足りないようだ……。」 とか言われて何も見付かりはしないはずだ。
もうお分かりのことと思われるが、力といえばこころのちから。ここは攻撃魔法様の出番ですよーっ。しかし普通は「掘れない」と判断した時点でこんなバカなことは止めると思うんだが……全ての疑問を25ポイント以上のこころのちからでねじ伏せて、さァ墓地を掘り返せ!
気合を込めて、土を掘った。
……あっ、供養塔が倒れた!
穴の奥に、何か光るものがある。
鍵だ!! 〈ちかしつのカギ〉を見付けた!!
さて、こうして無事に〈ちかしつのカギ〉も見付かった所で、次は地下室そのものを探すことになる。供養塔から邸に帰投する際には、湖の東岸にある桟橋をショートカットとして利用するのが便利だ。舟の上では敵が出現しないため、少しでも安全に帰れるはず。ボートは2人しか乗れず2艘しかないが、少し面倒でも「なかま」を駆使してリレーを行い、邸に取って返そう……
……コラちょっと待て。供養塔掘ったままかいッ!!!
3. 山村老人
〈ちかしつのカギ〉を持って引き返し、例のベッドルームに土足で上がり込むと、唐突にもそこにはひとりの老人の姿があった。彼こそ間宮邸の全てを知るキーパーソン、
伊丹十三山村健一その人である。やたら偉そうな山村老人だが、先は長くないので暖かく見守ってやろう。現実世界でも死んでるし。山村イベント発生中は、まあイベントシーンの常として敵が出現しないわけであるが、それとともに「なかま」「こうたい」をはじめ一切のコマンド入力が受け付けられない。他の部屋に入る判定は認識さえされず、山村老人について行く以外の行動はシステム的に完全に拒否されるのだ。ワーイ! CRPGバンザイ!
(副業でTRPGをやっていると、こういう所がどうも気になるものだ。他の部屋に行こうとしたら「こっちだ! 早く来い!」とでも言ってくれりゃよかったのに。)老紳士の山村さん、パーティー先頭のエミりゅんを地下への入り口までエスコート。なぜか山村イベントに参加できるのは先頭の1人だけであり、したがってイベントが終了すると自動的にパーティーは分断されているという思わぬトラップになっているので気を付けよう。嫌なジジイだ。
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「お前、供養塔で何をしてきた?
ん? お前が持ってるのは地下室の鍵か?!
よしっ、ついて来い! 地下への入り口を教えてやる……」
「供養塔で何をしてきた」と訊いてくる割には、こっちは何も答えずに話が進んでしまう。意外とそそっかしい山村さんだ。ま、〈ちかしつのカギ〉を持っている時点で何をしてきたかは全てお見通しなのだろう、と善意に解釈しといてやるよ。
――あの……あなたは……?
「わしは山村という。
お前らと同じ目に遭ってると思ってくれていい」自己紹介おそれいるが、初登場時からメッセージウィンドウに名前は出ているので全くの無意味である。
――この屋敷は、どうしてこんなことに?
「……夫人は安らかに眠っていた。だが、誰かが
赤ん坊を墓から掘り起こしちまったんだ。
夫人は眠りから目覚め、赤ん坊を探し続けた……。
しかし……見つからない。
夫人の魂は彷徨い、ついには屋敷にとり憑いた。
赤ん坊の亡骸は、実は地下に隠されているというが、
誰にも見つけられないんだ」物理特性の影響を受けない霊的存在の間宮夫人が、内情に詳しいはずの自宅を30年がかりで探し回って見つからないんだから、その赤ん坊はさぞかし巧妙に隠されているのだろう。それとも間宮さんド近眼か?
――一体、どうすれば屋敷から出られるんですか?
「それが判らんから、こうやって彷徨っとる……。
もし……。可能性があるとすれば……。
赤ん坊を見つけ出して、夫人の怒りを
鎮めてやること、だろうな…………」
このゲームには時間の概念がないので、〈くすりびん〉さえ切れなければ彷徨ってても平気ではある。
「この辺り(最後の写真参照)に、地下への入り口があるはずだ。
あとは土偶を持ってきて……うあー!!」いきなり「うあー」とかほざくから
マコピー何ごとかと思ったら、○印に注目。何もない中空から不意を衝いて現れた悪霊(間宮夫人?)のタックル直撃により、山村さんが木の葉のようにっ。とは言え、〈どぐう〉を持って来ればいいことさえ解ればもうこのジジイは用済みであり、とっとと暇をくれてやろう。だがそのまま動かなくなるのはまあいいとしても(秋子さんじゃどうせ治療できないしね)、動かなくなると山村老人途端に「はなす」にも「しらべる」にも反応しなくなるのはどうかと思いました。山村さんそこに寝てるのに「だれもいない…なにもないわ…」はエミりゅんひどすぎりゅん。
(引用&レスは手抜きの基本だけど、これでも結構書くの大変なんだぞー。)
4. 瓦礫の広間/フレスコ:4月22日
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斃れた山村老人に一瞥をくれたら、急いでパーティーを合流させて続きにかかろう。この広間は山村イベントで山村さんが壁に穴空けた所である。だだっ広い空間なのに〈ハンマー〉で破壊不能の瓦礫(とフレスコ画とアイテムとセキュリティシステムの大岩)しか目に付くものはなく、とても日常の用途に使っていた部屋とは思えない。ヒーロー特撮の戦闘シーンでも撮りそうなロケーションだ。案外、武器や〈ボーガン〉が落ちてるのはそのせいかもしれんな。
4がつ 22にち
それは 4つの いしが
みえる ところで つかえ特撮は撮れないが、フレスコでは上の文言が撮れる。「それ」が何を指すのかは、もう山村さんのセリフで判ると思う。
5. 坑死刑の部屋(1)/フレスコ:4月14日
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さっきの広間の北側に見えている開いた扉をくぐると、間宮邸は北の最果ての回廊(山村イベントで通ってきた所だが)に出る。回廊沿いに付いている東・西2つのドアが「坑死刑の部屋(1・2)」であり、ここは東のほうから攻めるのがセオリーだ。南側の壁に見えているフレスコ。これを撮影せんがため、田口をして南進せしめる。あと数歩で撮影のポジションにつかんとす、そう考えたまさにその瞬間! 轟音とともに! 空間が揺れる!
◆ 以下、筆者の中ではこう喋ってます ◆
「きゃぁーっ!!」
「助けてくれぇーっ!!」
「ああぁっ、床が、床が!」「秋子さん、田口さん、アスカさん!
大丈夫だよ、今来たよっ!」
「待ってろッ!
引っぱってやるから、ロープに掴まれッ!」
(ロープを投げようとする和夫)
「あっ……わぁっ!」 「エミ、どうしたッ?」
「おぉっ、おとうさん! うぅっ上ぇっ!」 「何ッ……うァッ!?」(和夫を捕らえる浮遊霊)
「うあーッ! 助けてくれぇッ」
「おとうさん! おとうさーんっ!!」
大パニックです。このトラップは本当に傑作だと思った。百の形容詞を弄するより、キャラクターが上みたいなセリフを吐いてるのがありありと想像できるという事実が、その出来の良さを物語っているはずです。
フレスコ画の撮影なんか、この部屋ではもうどうでもいいのである。このトラップに巡り逢えたという幸福があれば、もう四月・水牢の章は筆者的には終了でありあとはただの作業なんである。坑死刑バンザイ。間宮邸に名誉と栄光あれ。
攻略記事だから、作業のほうも一応やっとくけどな。4がつ 14にち
ふんすいの あおいぞうが みずに
とけるとき ちかへの みちを
しめすものが あらわれる
6. 坑死刑の部屋(2)/フレスコ:4月4日
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さっきの坑死刑(1)でもう気が抜けてしまった。これではいかんなあ。坑死刑の部屋(1)の浮遊霊に捕まった和夫がどこに連れて来られるかというと、ここなのである。親切にもフレスコの真ん前に置いていってくれるので、撮影結果はここで示してしまおう。
4がつ 4にち
つまは こころをやんでしまい
しんだこどもの あそびあいてにと
きんじょの こどもを……「近所の子供を……」どうしたというのか、本来なら気になるところだろうが、坑死刑のお蔭でそれどころではない。
ここも坑死刑の部屋と銘打っているからには、床が崩れて落とし穴になるわけであるが、この部屋では誰も落ちないので全くの無意味である。書く価値ないよ。
間宮邸の名誉のために補足しておくと、たぶん浮遊霊を経由せずに普通にドアから入ってフレスコ画に至ろうとすれば、坑死刑(1)と同様に坎穽に陥るのだろうが、筆者に対してその計略は失敗に終わったようだな。
なお、置いてある椅子に〈ロープ〉だの〈ボーガン〉だのは引っ掛からないので、この部屋から出る方法は「浮遊霊に捕まる」だけ。それもおかしな話だと思うが、まァ歩かなくていいのでむしろ楽か。
7. 地下への道を示すもの
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やっぱり坑死刑(1)で気が抜けているので、ダメダメである。三月の時点の噴水では、東側を銅像が塞いでいて通れなかったが、山村イベントで山村老人がこれを押してのけてからは自由に通行可能になっている。それどころか、その銅像を我々取材班も押して動かすことができるのだ。
「三月じゃビクともしなかったのに、どうして今になって軽々押せンだよ」という疑問を呈する人があるかもしれない。
が、物性物理の分野では、一般に与えられた二種の物質に働く摩擦力について、静止摩擦係数よりも動摩擦係数のほうが小さい値をとるという実験事実が知られている。これが何を意味するかというと、早い話一度動いたもののほうが摩擦力が低く、ゆえに動かしやすいわけである。山村老人が一度動かした銅像なら和夫にもエミりゅんにも動かせるという現象は、物理学的にも理に適ったことなのだ(詭弁です。本気にしないように)。
そういうわけで、4/14のフレスコ画の指示に従って、この銅像を噴水の血溜まりに沈めてやろう。
妙に場違いな軽快な音(アイテム入手音)が響いて和夫の眼前に現れるのが、何の形を象ったものかサッパリ判らないが、とにかく〈どぐう〉というわけだ。
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さて、「あとは土偶を持ってきて……」 である。写真の位置付近で〈どぐう〉を「つかう」と、理由はどうあれ轟音とともに空間が揺れ、目指す所の地下室へと通ずる階段がその姿を顕にし、我々を地底へと誘うことであろう。
土偶に見えない〈どぐう〉といい、この月には謎が多いが深く考えたら負けである。考古学の発展により、疑問の多くはいつの日にか氷解することになるであろう。
そう、全ての判断は、後世の歴史家に委ねようではないか。
今月はなんか変なノリだったな……。