「屋敷を荒らす愚か者とは、俺達のことかもな」

三月 泥濘の章:
今月のアイテム&モンスター


今月のアイテム


通常アイテム

じゃじゃ丸! ピッケル! ぽ〜ろり〜。 ピッケル大魔王
ピッケル

今月の拾得数: 3個

登山用のつるはし。ピッケルというものは主に氷雪上に足場をつけるのに用いる道具だそうであるが、筆者は登山どころか近所のスーパーにも歩いて行かないような現代人なので実際のところはどうなのか存じない。まァ、ゲーム中でも水流や氷上を通行可能にするという用途なので、あながち間違ってはいないものと思われる。

しかし、戦闘中には意外なくらい使えない道具だ。〈ピッケル〉で有効打を与えられる敵というのが存在しないのである。筆者の知識が確かならば、ピッケルのような武器は振り回すことにより慣性モーメントを突き刺しの威力に転化できるため、板金鎧や鎖鎧で守りを固めた敵に対し特に高い効果を発揮する武器として、中世ヨーロッパやペルシャ、インドなどで重用されていたはず。こんなことではてんのつるぎもだいちのよろいも掘れないぞ(←ウルティマ)。


ヒットラーの復活に出てくる「アイアンブーツ」ってアイテムにも似てるね。 Gジャンにピッタリのブーツ
あんぜんぐつ

今月の拾得数: 2個

ウエスタンブーツふうの金具とベルトが、ワンポイントとしてあしらわれているブーツ。ボーイッシュな雰囲気をかもし出しているが、ジーンズジャンパーと見事にマッチ。いつも、元気いっぱいの真琴らしいアイテムといえるだろう。

……ってゴメン。これエンターブレイン刊の『Kanon』攻略本持ってる人でないと全く面白くないわ。

3月の難所、ねばねばの床を歩けるようにしてくれる靴。画面上ではどう見ても一足だが、一人が使うと効果はパーティー全体に及ぶ。

なお補足として、〈あんぜんぐつ〉や〈ピッケル〉は持っているだけでは効果がなく、問題の地形に踏み込む前に「つかう」を宣言しなければならない。「もっているだけじゃダメですよ!」である。


ボク、いますごく幸せなのに、ひとりでいるとすごく不安になる。全部、夢じゃないかって思っちゃって……。だから、夜遅くて怖かったけど、祐一くんに会いに行ったんだよっ。ベランダ、よじ登って。窓を叩いたら、祐一くんが気づいてくれた……。
祐一 「……ってコラっ! 何で2階の窓から入って来るんだよ!」
あゆ 「〈なわばしご〉でよじ登ってきたんだよ」
祐一 「出て行けこの犯罪者っ!」
あゆ 「うぐぅ、ひどいよっ。だいたいシーフは犯罪者じゃなくて、社会の暗部に必要とされる特殊技能者であり公共のシーフギルドの存在がその裏づけ云々」
祐一 「口だけ達者なTRPGマニアめ……」 つくづくこの屋敷って盗賊の道具ばっかり揃ってるな。
なわばしご

今月の拾得数: 1個

2階の吹き抜けから、中庭に降りるための重要アイテム。というかどうもこの屋敷、中庭に辿り着く手段がはじめから〈なわばしご〉しか無さそうなんですけど……。平和だった頃の間宮家の暮らしぶりについて、ついついいらぬ思いを馳せてしまいます。

〈ロープ〉と同じく、どうのよろいに対して高い威力を発揮する。この分だとホントに〈ピッケル〉の立場がねェな。


名雪 「イチゴサンデーならバケツ2杯は軽いよ」
祐一 「……それは無理だろ、さすがに」
バケツ2杯というと、20リットルほどになる。既に人間の食事する量ではないはずだ。

みさき 「そうでもないよ。足りないくらいだよ」
浩平 「人類にはまだまだ未知の可能性が秘められてる。オレは先輩を見てそれを学んだね」
祐一 「誰だ、あんたら」 なぜ平仮名かは永遠の謎
ばけつ

今月の拾得数: 1個

〈まっち〉に続く、ひらがな第2弾。バケツというものは液体を汲むための容器であり、間宮邸においても当然その用途は変わらないのであるが、ホラーで洋館で恐怖体験であるからにはその液体の内実は自ずと決まってくるようなものである。

「赤い血に残る無念さは、銅像をも溶かすであろう」ってフレスコにも書いてあったじゃないですか、ねぇ。


泉新一が「A」を斃した武器やね。 文明の利器(2000年前の)
てつのぼう

今月の拾得数: 1個

筆者は鉄棒が苦手だったがこのアイテムはその鉄棒ではない。鉄でできた、ただの棒である。石器時代の遺跡から出土でもすりゃ教科書を書き換える大発見だが、間宮邸で出てきても特に用途はない。冗談ではなく、イベントアイテムとしては本当に使うことが無いのである。

ただ、来月の「ふらんしたい」など、戦闘時にこれを使えばダメージを入れられる敵もいる。「通常アイテム欄を占め、一部の敵にしか効かない武器」と考えるべきだろう。

……使えねェ。


今月登場する既出のアイテム
しょうかき
くすりびん
ロープ
まるた
ハンマー
ほうき
まっち
クッキー
はりがね
ポラロイド
今月の拾得数: 1個
今月の拾得数: 1個
今月の拾得数: 1個
今月の拾得数: 4個
今月の拾得数: 1個
今月の拾得数: 1個
今月の拾得数: 1個
今月の拾得数: 1個
今月の拾得数: 1個
今月の拾得数: 1個


武器

ちなみに、原作映画に剣は一本も出てきません。 どんなネーミングだ
ながいけん

攻撃力: 45 - 15     今月の拾得数: 1個

長い……剣としか言いようがないではないか。普通の〈けん〉と全く変わらない絵だけど。

攻撃力は対生物・対霊体ともに〈けん〉の実に3倍。だからきっと長さも3倍。うん、きっとそうだよ。


舞 「……私の胸を触ろうとした……」
祐一 「ななっ、成程、そそそれで剣を突きつけているわけか」
舞 「……」
祐一 「こ、これぞ『性なる剣』という所だな」
舞 「……」
祐一 「だっだめか?」
舞 「……意味不明」
祐一の喉へと押し当てた切っ先に、舞は無情に圧力を込めた。
【BAD END】 誰です、「性なる」なんて言ってる悪い子は!
せいなるけん

攻撃力: 15 - 26     今月の拾得数: 2個

どこの神様の祝福が込められているのかまるっきり得体が知れないが、とにかく聖なる剣ということらしい。対霊体攻撃力が高いのは案の定というところ。ま、剣というのは隠し持つのが難しいことから、多くの文化圏で名誉ある武器とみなされてきたわけで、これみたいに剣に聖性が付与されるのは珍しいことじゃないけどね。

と、副業でTRPGをやっていると、こういうどうでもいい知識が豊富になる。


原作映画では、アスカさんがコレで頭割られて死にますな。 どんなネーミングだ・第2弾
おもいおの

攻撃力: 38 - 14     今月の拾得数: 1個

「形容詞+名詞」第2弾。そりゃまあ、ねえ。重い斧なんでしょうよ。でも名前にするのはやっぱりどうかと思うな。

とは言うものの、〈ながいけん〉〈おもいおの〉なんて日本語だから違和感を覚えるんであって、これが英語に直訳して「ロングソード」とか「ヘビーアックス」とかいう名前だったら、ファンタジーRPGじゃ充分まともに聞こえるだろう。これは一種のエキゾチシズムというものだろうか。もっとも、間宮邸には似つかわしくないが。

ちなみに、女性でも装備できる。どうやら女性に装備できないのは〈まよけのおの〉だけらしく、女性も魔除けの対象ってコトなんでしょうかね。〈まよけのやり〉にとっちゃ男性が「魔」扱いなんだけど。


今月登場する既出のアイテム
ぎんのおの
まよけのやり
今月の拾得数: 1個
今月の拾得数: 1個



今月のモンスター


あんまり怖いんで振り向く前の絵で勘弁して下さい。いや、ホントは絵だけ見ても怖くも何ともないんすよ。印象がね。ちょっとね。

こっちを向いて、好きだと言って
ひと

さくらちゃんは雪兎さんに会いたいな会えないな切ないなこの気持ちだが、筆者はこの敵にはできれば会いたくない。仮に会ったとしたら、どんな手段を使っても1ターン目で速攻殺るぞコラ。

その原因は――「振り向く」。これに尽きる。行動順が回るや否や、このひとはアニメーションまでして向き直りその凄惨な素顔をこちらに見せてくれるのだ。こっちを向いたからといって好きだと言ってくれる訳ではなく、その特殊攻撃も「腕をつかむ」という最悪の内容。

結構タフで、攻撃手段となるアイテムも無さそうなので、1ターンで斃すのは困難かもしれない。私の想い(←心の力)をこいつのハートに飛んで飛んで飛んで行かせることにより、振り向く前に是非とも御臨終して頂きたいところだ。

また、戦闘突入時のメッセージの「ひとだ!」というのも生々しくてイイね。なんかほら、「おい、生存者を見つけたぞ!?」って感じの響きと、そのあと振り向いて襲いかかってきた時の理不尽な恐怖がたまりません。この敵が一番印象に残ったという人もいるんじゃないだろうか。


観鈴 「かべ、が、がお…」
ぼかっ!
観鈴 「イタイ…どうして殴ったりするかなぁ」
往人 「『がお』と言ったら殴れって言われてるんだ。お前の親に」

かべがみにはしたくない
かべがお

一度トチ狂って筆者のマシンの壁紙にこの顔を指定してみたがやっぱりイヤだった。読者の皆さんもこのイヤさを一度は味わってみましょう。こちらごあんな〜い。

特殊攻撃「おそいかかる」により「きょうふ」を植え付けてくる初めての敵。それしか能がない、とも言うが。「きょうふ」の効果の狡猾さについてはステータス分析の章を参照して頂きたい。

なお、分かりにくいがかべがおは「霊体」系の敵に設定されている。そのためこちらの通常攻撃の威力は低くなりがちだ。アイテムでは〈ハンマー〉が有効(←案の定)なので大いに活用しよう。


あゆ 「ボク、お化けとか幽霊とか苦手だから……ホラー映画とかも観れないんだよ……」
祐一 「生き霊のお前が言うな」
あゆ 「似たもの同士の仲たがいだもん。N極とN極は反発するんだよっ」
祐一 「そういうもんか……?」

言わずと知れた、あゆのこと(嘘)
いきりょう

生き霊である。見るからに霊体のくせに、通常攻撃しか能がない。生き霊というからにはまだ生きている人間から一時的に抜けてきた霊魂のことだと思うのだが、もし館に残っている生存者の生き霊なら、それをやっつけるというのはかなり問題だと思うが読者諸兄諸姉においてはいかがであろうか。

ひとだまと同じく〈しょうかき〉で大ダメージを与えることができるが、一撃で倒せるほどではない。と言うか、いくら何でも生き霊に消火器はないだろ、と思った。


秋子 「鏡よ鏡よ鏡さん、この世で最も美しいのはだぁ〜れ?」
名雪 「…………」
秋子 「『それは勿論秋子様でございます。一児の母とは思えない抜群のプロポーションに秘められた熟女の魅力にもうメロメロでございます』。そうよねぇおっほほほ……」
名雪 「……おかあさん……」
秋子 「んぁ? げげェ!?」
名雪 「おかあさん……」
秋子 「(いつもの調子に戻って)あら、おはよう名雪。今日は珍しく早いのね」
名雪 「……うにゅ、けろぴーまだねてるぉ……」
秋子 (寝ぼけてる……助かったわ……)

鏡魅羅なんてのがいましたね
かがみ

中庭に設置されている鏡(用途は不明)の前に立つと、この「かがみ」との戦闘に突入する。鏡なんだから「こちらの能力をコピーする」とか洒落た攻撃をしてくるのかなと思いきや、鏡の向こうは見知らぬ不細工な顔であり、その実態は何の変哲もない霊体系モンスター。鏡だけに、特殊攻撃「光を放つ」できょうふを植え付けてくるので一応注意。

そろそろ予想がつく頃だと思うが、〈ハンマー〉で殴るとわずかながら効果を発揮する。


ナタ男 「……私は魔物を討つ者だから」
祐一 「魔物はお前だっ! だいいち、ナタと直剣じゃ型が違うだろっ」
ナタ男 「……間違ってはいない」
祐一 「?」
ナタ男 「……少し前まで曲刀を使っていたの」
祐一 「そんな細かい設定まで憶えてるもんか」

そのハイセンスにもう脱帽。
ナタおとこ

今月のMVPという賞でもあれば是非差し上げたい、本作を代表する傑作モンスター。『ユーズドゲームズ』でも図版で紹介されているほどだ。

三日月型のナタを振り上げる太い腕は、化膿した肉腫にびっしりと覆われてさらに肥大して見えている。見る影もなく潰れた顔は口だけを広げて、意味をなさない呻き声を上げ続ける。全身に広がる腫れ上がった膿の瘤は、時折り皮膚を破って腐汁を散らしながら、ボゴボゴと蠕動を繰り返す。

ファミコンに課せられた技術的制約という宿命の中で、よくもまあこんな強烈なモンスターがデザインできたものである。膿がアニメーションまでするのには、何ともはや畏れ入りました。一体この男はナタなんか持ち歩いて元々館で何してたんだとか、そんな疑問を補ってお釣りが来るほどのインパクトであった。筆者は未だにこの敵に出会うと背筋が凍りつく思いがする。

純粋に性能を見ても、ナタ故にか攻撃力のやたら高い強敵だ。特殊攻撃がまた、「膿を飛ばす」という何とも気の滅入るものであり、「のろい」の効果を持つ(筆者は「もうどく」か「きょうふ」の方が的を射ていると思うが)。攻撃に使えるアイテムも無さそうなので、やはり心の力か、あるいは逃げるか。いずれにしても、長期戦には持ちこみたくない相手だ。



今月登場するその他のモンスターの皆さん

きょうけん


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