エ 「うぐぅ!(←挨拶) ボクは星野エミ!」
ア 「わたしは、アスカだよ」
エ 「六月・巌窟の章は、間宮夫人との邂逅を果たすべき重要な月。そんな時に、下手にトラップなんかで消耗したくないよね」
ア 「そこで、ここではわたしとエミちゃんが、今月の代表的なトラップである『大岩』を攻略していくんだよ」
エ 「アスカさん、よろしくねっ!」
ア 「こちらこそ、よろしく。エミちゃん」
講師:星野エミ
講師:アスカ
エ 「うぐぅ……怖いよ。岩だよ……嫌だよ……」
ア 「エミちゃん、何してるの?」
エ 「あっ、アスカさん! 通路のド真中にいたら危ないよっ。大岩が転がってくるから、ボクは例の回避ポイントで待って難を逃れんとしてるんだよ」
ア 「なんだあ。うふふ、そんなことしなくたって……ほら、ついてきて」
(「なかま」コマンド使用)
エ 「うわあっ! ちょ、ちょっとっ、アスカさん、引っ張らないでっ」
ア 「このまま、まっすぐ歩いていけばいいよ」
エ 「ふぇ? ……ってまっすぐ歩いたら、岩に激突するよ!?」
ア 「だいじょうぶ、任せてよ〜。 ♪ふ〜んふんふんふ〜ん、ふ〜んふんふんふ〜んふ〜んふ〜ふっふふっふ〜ん♪」
エ 「呑気に《雪の少女》の鼻歌なんか歌わないでよっ!」
エ 「わわぁっ! 岩が轟音とともに揺れだしたよっ! さっさと『なかま』コマンドで離れてよっ。アスカさんがダメでもボクは逃げるもんっ。アスカさんみたいなウスノロに足引っ張られて心中なんか絶対したくないからねっ」
ア 「失礼だよ〜。ちゃんと大丈夫だって分かってるのに……」
エ 「ひいぃっ、岩がもう目の前にっ! 天国のお母さん、ボクそろそろそっち行くから酒とツマミ用意しといて。うぐぅ…………」
ア 「……ほら。ノーダメージだったでしょ、エミちゃん?」
エ 「う…うぐぅ? 生きてる、動いてる。ア…アスカさん、これって、奇跡が起こったの?」
ア 「うふふ。奇跡でも、なんでもないよ」
エ 「じゃあ……?」ア 「『転がる大岩』はダメージを与えるトラップだけど、ダメージを与える能力を持っているのはあくまで転がっている間だけなの。つまり、転がる予告である振動モーション中は、触れてもダメージを受けないから、その隙にすばやく通り抜けたんだよ」
エ 「うぐぅ、そう聞くとなんかスゲェ理不尽な気分だよっ……。って、あれっ?」
ア 「どうしたの、エミちゃん?」
エ 「えっと、どうしてボクたちの身体は大岩を通り抜けちゃうのかな? って……」
ア 「だって、そう処理しないと、転がる大岩がわたしやエミちゃんに当たった時に止まらないといけなくなるでしょ?」
エ 「うぐぅ。言われてみればそんな気も……」
ア 「これまでも何度か出てきたけど、このゲームのトラップに対する最適戦略はしばしば『突っ切ること』だよ。こういう意外な突っ切り方もあるから、探してみるのも面白いかもしれないね」
エ 「アスカさん、すごくためになったよっ! それじゃあみんなっ、来月まで!」
ア 「ふぁいとっ、だよ」
ア 「ところで、さっき何か言ってなかった? わたしみたいな肥えだめで生まれたゴキブリのチンボコ野郎と心中するのは御免とかどうとか」
エ 「うぐぅ! ウスノロとは言ったけどそこまでは言ってないよっ!」
ア 「……そう。エミちゃんは、わたしをウスノロと思ってたんだね……?」
エ 「…………すみません。ボクのこと忘れてください」