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 ここは冥府。死んだガラハド達が集う場所…。
 肉体から解放されたガラハド達は、ここで過去の失敗を語るのである。

談その1

 「やられてしまったぞ きさまー!!」
 「またやられたのか。装備が貧弱すぎたんじゃないのか?」
 「いや、装備は悪くなかったんだ。だが、徳が、な…。」
 「徳?」
 「ああ。キャラクターそれぞれにある[正]とか[情]とか[誉]といったものだ。
  破邪の術を使う者にとってはこれらが善に傾かないと使い勝手が著しく悪くなるんだぞ。」
 「…だったら上げればいいんじゃないのか?」
 「そう簡単に言うな。善行を積み重ねるのは容易なことではない。これをみてくれ。」
 「………。」
 「パラディンは[正] [勇] [誉] [誠]の徳を持っている。更に破邪の術を持つと[正(誉)]の徳を得ることになる。」
 「…[正]も[誉]も被ってるが、これは重複しないんだな。」
 「ああ。ちなみに人間は[個]の徳をもっているが、これが非常に動かしにくい。」
 「…まぁ、そうだろうな。」
 「更に、俺には問題点があった。」
 「元から問題山積みなのに、まだあるのか?」
 「…まあいい。いいか、俺には"力自慢"という性格を持っている。」
 「ああ、敵を蹴散らしたり壁に埋まっている財宝を取るのに適していたが、何かあるのか?」
 「大ありだ。力自慢だと知性が低くなって、術の難度も上がる。よって罠にはひっかかるし術は失敗しまくって大変だった。」
 「そうか…。バカだったんだな。」
 「…お前、自分の首を絞めているからな。」
 「いいから、話を続けてくれ。」
 「ああ、さっきの徳のところをみればわかると思うが、徳が悪に傾けば術の失敗率が上がる上に徳が更に悪に傾く。」
 「だが、破邪は術を成功させるだけでも善に傾くようだが?」
 「…無理だ。失敗率49%の術でも20回中3回くらいしか成功していない。」
 「それは災難だったな。」
 「そこでだ。次のガラハドが出て来たら問題点を解決できるような性格にしようと思ったんだ。」
 「…待て、ルールには"死んだら以前の設定のままで再スタート"と書いてあるぞ!?」
 「ん?良く見てみろ。死んだら"極力"以前の設定のままでと書いてあるじゃないか。」
 「か かきたしたな きさまー!!」
 「…だが、そうでもしなければずっと悪のままだ。このままではホークに向かって
  「きさまのようなあくにんに」…などと言えるわけがない。」
 「…それもそうだな…。だが、あまりせこいことはするべきではないぞ。」
 「ああ…わかっている。…ところで、俺の死亡直前のデータがないんだが。」
 「と とりわすれてるぞ きさまー!!」


談その2

 「よぉ、お待ちどう!お前たちの希望のかけらが来たぞ。」
 「なに あっさりやられてんだ きさまー!」
 「ああ、途中までかなりいいペースだったんだがな。毒の耐性がなかったんだ。おかげでこのざまよ。」
 「確かにあれはひどかったな。オークの群れに加えてガチャピン…場所はそんなに悪くなかったんだがな。」
 「一応自然界の生き物はESPで感知できたんだが、まさか放射性廃棄物のブレスがあんなに強かったとはな。」
 「HPはほとんど減ってなかったのに即死だったからな…。あれではどんな猛者とて耐えられまい。」
 「そうなんだよな。あいつと戦う時はブレスを使わせないように極力殴らせるのが一番なんだが、それも辛い。」
 「なにげに知能や賢さ下げる上に金やアイテムを盗んでテレポートだからな…たちが悪い。」
 「とりあえず一発食らうのは覚悟してたんだが、それが仇になってしまったからなー。」
 「毒のブレスや放射性廃棄物のブレスは毒の耐性がないとほんとにきついからな。さらにガチャピンはブレスのダメージがでかい。」
 「…なんとか対処できないものなのだろうか。」
 「方法としては毒耐性の装備なんだが、そんなものめったにないしな。30階くらいまで降りないとないだろう。」
 「…で、その30階で殺されたんだが。」
 「…運が悪かったな。」
 「毒を持っている敵は多いが、対毒装備が少ないのは問題だな…。まぁ、プレイヤーとしてはそれくらい対処できなければならないのだろうが。」
 「…しかし、今までの履歴を見ると『追い剥ぎ』『白ワニ』『ガチャピン』と初心者が殺されやすいモンスターにやられっぱなしだな。」
 「…わかった。次は改造モードでやろう。それなら大丈夫だべ。」
 「「あかんよっ!!」」


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